私(院長)は、25歳で医師になるまでアトピー性皮膚炎で皮膚科に通院していました。
医師になりアトピー性皮膚炎に関連する様々な専門分野を勉強してきました。
現在でも自分で治療を継続しておりますが、私の出した結論としては
「アトピー性皮膚炎を完治させることは出来ない。体質をうまくコントロールし、
生活をしていくことが重要である」というものです。
主な原因は下記2つになります。
保湿+汗対策、皮膚でのアレルギー対策を行うとかなり良くなります。食物アレルギーは確立が低く優先順位は高くないです。全てを改善しようとすると無理がありますので、まずは初歩的なことからしっかりできるようにしていきます。実は、それだけで十分良くなるケースが多かったりいたします。
を組み合わせて治療を行っていきます。
12の塗り薬については、塗り心地が良いことと効き目の両面から選んでいます。
3の飲み薬については、眠気が出にくいものを可能な限り厳選しています。
ごく軽度の場合を除き、飲み薬の併用をお勧めいたします。塗り薬・飲み薬双方に下記のようなメリット・デメリットがありますが、両方使用することで両方の良さが相乗効果で得られるためです。
塗り薬 | 飲み薬 | |
---|---|---|
メリット | 肌の保護効果 直接塗った部位にのみ作用 |
血管経由で多くの薬剤が皮膚に届けられる |
デメリット | 皮膚から薬剤が吸収されにくいため、塗り薬だけでは効果が出にくい | 狙った場所のみに効かせることが出来ない |
弱めの治療から開始し、効果がなければ徐々に強くしていくというやり方(ステップ アップ型)。弱い治療の間にかき壊してしまい、逆に治療期間が長く薬が多く必要になってしまいます。皮膚疾患の治療にはあまり向いていません。
当院では、しっかりと治療を開始し、かゆみや赤みが減ってきたのを確認しながら 徐々に減量していくステップダウン型を採用しております。こちらの方がトータルの治療期間や薬の量が短くなります。
患者さんの自己判断で治療(塗り薬・飲み薬等)をやめないで下さい。
日本では特にステロイドを嫌がる傾向が強く、非常に誤解されている薬剤です。
ステロイドとは、「副腎皮質ホルモンを主成分とした薬品」です。
つまり、ステロイドとは体内でも作られる物質なのです。
ステロイドを使用する上で、医師より指導される下記3点を厳守することで薬剤として効果的な力を発揮いたします。
アトピー性皮膚炎は炎症がひどい状態
アトピー性皮膚炎で湿疹がひどい場合は、まず炎症を抑えることが大切です。火事を鎮火することと似ています。
ステロイド薬による炎症の鎮火
ステロイド薬は、炎症を早急に抑えるのに非常に効果が高い薬です。
炎症が完全に治るまでステロイド薬投与
少し良くなってきたからといってステロイド薬の投与をやめてしまうと、また湿疹がひどくなることがあります。湿疹が感知するまで医師の指導に基づき継続して塗るようにしましょう。
湿疹が改善した後の皮膚の色素沈着
湿疹が止まった後の皮膚は、色素沈着により黒ずんで見えます。これは薬の副作用ではなく、ここから徐々に皮膚が良くなっていく手前だと思いましょう。
湿疹の悪化因子の除外
湿疹が治まっても日常生活でアトピーの悪化因子となりえるダニやペットの毛などが無いよう日頃から心がける必要があります。
湿疹が治っても毎日保湿剤を塗る
アトピー性皮膚炎が完全に良くなったとしても、毎日の皮膚のケアが大切です。毎日保湿剤をこまめに塗るようにしましょう。